国土交通省から令和3年6月に発表された
地価LOOK令和3年第1四半期(1/1〜4/1)、
近畿圏について詳しく見ていこうと思います。
【全国概況】
「前期と比較すると、下落地区数及び
横ばい地区数が減少し、上昇地区数が増加した。」
令和2年第4四半期(10/1〜1/1)に続き、
地価は回復傾向が続いています。
「用途別では住宅系が
商業系より上昇地区の割合が高くなった。」
「住宅地では、マンションの販売状況が堅調な中、
事業者の素地取得の動きが回復している地区が増加している。」
「商業地では、法人投資家等による取引の動きが戻り、
横ばい・上昇に転じた地区が見られる。
新型コロナウイルス感染症の影響により、
店舗等の収益性が低下し下落が継続している地区があるものの、
下落地区数は減少した。」
住宅地は総じて引き続き堅調で、
商業地も需要の回復傾向が見えてきました。
まだ地価の下落が継続している地域はあるものの、
もう「コロナだから…」という安易な理由で
地価下落と言えなくなってきています。
実際に近畿圏ではどのようになっているのでしょうか?
【近畿圏の動向】
■滋賀県
住宅地 南草津駅周辺 0%横ばい
商業地 調査地区設定なし
■京都府
住宅地 下鴨 0%横ばい
桂 0%横ばい(前期0〜3%下落)
二条 0%横ばい(前期0〜3%下落)
商業地 京都駅周辺 0%横ばい(前期0〜3%下落)
河原町 0%横ばい(前期0〜3%下落)
烏丸 0%横ばい(前期0〜3%下落)
■大阪府
住宅地 豊中 0%横ばい
天王寺 0〜3%上昇(前期0〜3%下落)
福島 0〜3%上昇(前期0〜3%下落)
商業地 西梅田 0〜3%下落
中之島西 0〜3%下落
北浜 0〜3%下落
OBP 0〜3%下落
新大阪 0〜3%下落
阿倍野 0〜3%下落
江坂 0〜3%下落
茶屋町 3〜6%下落
心斎橋 3〜6%下落
なんば 3〜6%下落
■兵庫県
住宅地 六甲 0〜3%上昇
甲子園口 0〜3%上昇
芦屋 0〜3%上昇
商業地 西宮北口 0〜3%上昇
三宮駅前 0〜3%下落
■奈良県
住宅地 奈良登美ヶ丘 0%横ばい
商業地 調査地区設定なし
■和歌山県
調査地区設定なし
【前期からの変動】
近畿圏では、概ね前期(第4四半期)と
同じ地価動向の地区が多かったです。
一方、京都府では下落から横ばいに持ち直し、
大阪府では住宅地が下落から地価上昇傾向に反転し、
兵庫県は三宮駅前の商業地を除き
前期からの地価上昇傾向が継続しています。
<京都府>
前期0〜3%下落の地区が多かったですが、
今期は全て横ばいに持ち直しました。
住宅地は、そもそも新型コロナの影響は限定的で小さく、
需給関係に大きな変化が見られない状況です。
商業地は、新型コロナの影響が継続しているものの、
感染終息後を見据えた店舗や事業所の出店、
投資や開発目的の需要がより顕在化してきています。
<大阪府>
福島と天王寺の住宅地が地価上昇傾向に転じました。
福島は「(仮称)うめきた2期地区開発事業」の工事や、
周辺の整備事業の進捗の影響もあり、
今後もマンション開発素地や商業施設用地の
需要は強くなると予想されます。
天王寺は根強い需要が認められるほか、
富裕層向けのマンション需要が旺盛で、
マンション開発素地としての需給が逼迫しています。
<兵庫県>
唯一の下落となった三ノ宮駅の商業地は、
立地条件の良さのため売り急ぐ動きは特に見られず、
取引は限定的な状態が続いています。
とはいえ、店舗賃料はやや下落傾向が続いており、
ホテルの稼働率悪化から、ホテル用地需要も
新規出店意欲が減退して弱まった状態が続いているため
やや下落した地価動向となりました。