6/23の日経新聞1面に
「土砂崩れ、市街地に危険」
という記事が掲載されていました。
全国の「市街地にある住宅92万戸が
土砂災害を警戒すべき区域に建っている」
「日本は近年、気候変動の影響で
頻繁に豪雨に見舞われて」いる。
「土砂災害警戒区域に指定されても、
新たな開発への規制はない。
危険度の高い「特別警戒区域」でも、
安全対策などの規制をクリアすれば
開発は許可されてきた。」
「北九州市は土砂災害の
恐れがある斜面の住宅地について、
現状は市街化区域であっても、
住宅建設を規制する「市街化調整区域」へと
見直す方針を打ち出した。」
【土砂災害(特別)警戒区域】
■土砂災害警戒区域(イエローゾーン)
評価における減価率は、±0〜▲10%が中心です。
固定資産評価でも±0〜▲10%までが大半ではないでしょうか。
一方、国税の通達では、減額補正はありません。
土砂災害特別警戒区域内にある宅地の評価では、
「宅地としての利用は法的に制限されない」
「土地価格の水準に既に織り込まれている」
との理由が記載されています。
仮に、土地価格の水準に
織り込まれていない場合はどうなるのか。
路線価図だけでは織り込み有無の判断は難しいですが、
適用の余地はわずかながら残るのかもしれません。
現実の取引であれば、
イエローゾーンであっても、
指定の有無は一定の影響があると思われます。
■土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)
評価における減価率は、▲30%程度が中心です。
固定資産評価では、敷地の一部でも
レッドゾーンに指定されていたら、
敷地全体について減価を適用するところが多いです。
国税の通達では、面積割合に応じて▲10%〜▲30%。
がけ地補正率も乗じた最大で▲50%です。
開発指導要綱等で
現実的には開発不可の場合も多く、
そもそも宅地の価格から減価をするのではなく、
実質的に市街地山林と同視できる場合もあります。
【区域の指定】
以前は指定されていなくても、
指定区域はどんどん増えていっていますので、
現在は指定されている可能性もあります。
また、現在指定されていなくても、
指定には地元との協議など時間がかかるので、
実質的にはイエローないしレッドゾーンに
該当する場合もありますので注意が必要です。
物件調査の際に、周辺に山や傾斜地があれば、
まずは土砂災害(特別)警戒区域の指定の有無を
調べることが大切です。
「○○市 土砂災害」と検索すれば、
ネットでも簡単に調べることができます。
(最新の指定状況ではないこともあります)