今回は当事務所のコダワリである
鑑定評価の「見える化」、
評価の“オープンキッチン化”についてです。
【評価の前提となる情報・資料】
評価の前提となる情報や資料には様々なものがあります。
取引事例では高値、安値、特殊事情の有無。
実勢価格と公示地価や路線価等との開差の有無。
賃料水準、費用項目、利回りをどう考えるか。
どのような経済指標を採用するか。等々
採用する資料や情報が少し変わるだけで、
最終結果である鑑定評価額に大きく影響することも多いです。
【評価のオープンキッチン化】
「様々な資料や情報がありますが、
この資料から試算するとこうなります。
一方、こちらの情報に基づくと逆にこうなります。
今回はこの資料が最も説得力があるのでこれを重視しましょうか。」
このように評価の過程を全て「見える化」することで、
より深い理解とご依頼目的達成のための
お手伝いをしています。
クローズされたキッチンで勝手に料理を完成させるのではなく、
オープンキッチンで楽しく話しながら一緒に料理を作っていく。
そんなイメージと言えば少しはわかりやすいでしょうか。
いきなり結果だけ「○○万円です」と言われても、
よくわからなかったり、ご依頼目的に合わないことも出てきます。
もちろん最終的にご提出する鑑定評価書・意見書には
評価の過程が明確に記載されているのですが、
どうしても専門的な内容となり、読みにくいのも実情です。
ご相談の段階から様々な試算を行い、
複数のシミュレーションをわかりやすく行うことによって、
自分の立場だけではなく、
相手側の立場や中立的な立場に立った目線も
一緒に検討していくことができます。
【不動産鑑定評価基準】
不動産の価格は、多数の要因の相互作用の結果
として形成されるものであるが、
要因それ自体も常に変動する傾向を持っている。
価格形成要因を市場参加者の観点から明確に把握し、かつ、
その推移及び動向並びに諸要因間の相互関係を十分に分析して、
前記三者(※)に及ぼすその影響を判定することが必要である。
(※不動産の効用、相対的稀少性、不動産に対する有効需要)