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士業に役立つ不動産評価まめ知識

2021/09/17
金融機関に融資を申請したものの、
建物の耐用年数の関係で
希望する融資年数より短くなってしまう。
なんとかならないでしょうか。

このようなご相談もよく頂きます。

【問題点】

金融機関からの融資の場合、
「主な減価償却資産の耐用年数表」を厳格に適用して
建物の経済的残存耐用年数を判断されてしまい、
希望する融資年数を確保できないことがあります。

【建物の経済的残存耐用年数】

■主な減価償却資産の耐用年数表
いわゆる法定耐用年数と言われるものですが、
あくまでも減価償却に要する期間であって、
必ずしも経済的残存耐用年数と一致するわけではありません。

現実的にも技術の進歩で建物の耐久性は高まっているのに、
この耐用年数は短くなっていく傾向にあります。

■不動産鑑定評価基準
経済的残存耐用年数とは、
「価格時点において、対象不動産の用途や利用状況に即し、
物理的要因及び機能的要因に照らした劣化の程度並びに
経済的要因に照らした市場競争力の程度に応じて
その効用が十分に持続すると考えられる期間」をいいます。

「経済的」なので、物理的な耐用年数とは異なります。

建物の構造や施工の程度、維持管理の状態、経過年数、
社会経済情勢等を踏まえ、対象建物の経済的残存耐用年数を
個別具体的に判断していくことになります。

築浅なのにボロボロな建物があったり、
築30年以上なのに良好な維持管理で築浅に見えたり、
本当に千差万別で様々な建物があります。

■平均寿命の調査結果
大学教授による建物の平均寿命の調査結果もあります。

RC造共同住宅 56.54年
鉄骨造共同住宅 55.07年
鉄骨造事務所  46.32年
鉄骨造倉庫   53.01年
木造専用住宅  65.03年 等
(いずれも2011年調査)

【まとめ】

良好な管理状態を維持し、適切な維持管理費、
修繕費、資本的支出等を支出している場合は、
法定耐用年数以上の耐用年数も十分に見込まれます。

法定耐用年数の関係で、希望する融資年数とならない場合は
不動産鑑定士にご相談ください。


2021/08/23
脱ハンコの流れが鑑定評価書にも!

これまで鑑定評価書には署名押印が必要だったのですが、
これからは署名だけでよくなります。

施行期日は「令和3年9月1日」です。
8月中の鑑定評価書には署名押印が必要ですが、
9月1日からの鑑定評価書は署名のみでOKとなります。
(これまでとおり押印してもOK

【令和3年9月1日以降】

「鑑定評価書への押印廃止について(通知)」
国不地第13号 令和3年8月13日
国土交通省不動産・建設経済局地価調査課長

「不動産の鑑定評価に関与した
不動産鑑定士又は不動産鑑定士補に課されている
鑑定評価書への署名押印すべき義務のうち、
押印が廃止となります(署名は引き続き存続)。」

「鑑定評価書には、その不動産の鑑定評価に
関与した不動産鑑定士又は不動産鑑定士補による
署名が引き続き必要となります(電子署名の利用も可)。
なお、整備法の施行後において、署名に加え、
押印がある場合でも、その鑑定評価書は有効とします。」

【令和3年8月31日まで】

不動産の鑑定評価に関する法律
第39条第2項
「鑑定評価書には、その不動産の鑑定評価に
関与した不動産鑑定士がその資格を表示して
署名押印しなければならない。」

【まとめ】

これまでずっと署名押印してきて、
最後にハンコを押す時が最も感慨深かったですが、
時代は変わっていくものですね。

ハンコがあったほうが
鑑定評価書に箔がつくような気もしつつ、
これまで以上に鑑定評価書の内容を
精緻で説得力高くしていきたいです。

とはいえ、しばらくは
署名+押印してしまいそうな気もしますが…。

2021/06/28
近年は日本の農業が見直され、
法人の農業への参画も増えてきています。

今回は傾斜地勢の農業用施設用地の評価について、
相続税評価額と現実の売買価格(時価)を
比較してみようと思います。

通達評価は画一評価であるため、
相続税評価額と時価が大きく乖離してしまい、
問題となるケースがあります。

今回はやや特殊なケースではありますが、
その評価額が時価として妥当性を有するかどうか
常に確認することが大切です。

【農業用施設用地とは?】

農業用施設の用に供されている宅地です。

農業用施設には、畜舎、蚕室、温室、
農産物集出荷施設、農機具収納施設などが該当します。

【財産評価基本通達24-5】

通達評価では、
農地としての価格+宅地造成費=農業用施設用地の価格
となります。

<試算例>
・通常の農地としての価格:500円/㎡
・地 積:3,000㎡

<通常の農地としての価格>
 500円/㎡ × 3,000㎡ = 1,500,000円

<農業用施設用地としての価格>
・傾斜度:3度超5度以下
 (500円/㎡ + 18,600円/㎡)× 3,000㎡ = 57,300,000円

・傾斜度:25度超30度以下
 (500円/㎡ + 59,100円/㎡)× 3,000㎡ = 178,800,000円

農業用施設用地として評価をすると、
通常の農地としての価格よりはるかに高い評価額になります。

ここで注目して頂きたいのは、
傾斜度が大きいほど宅地造成費が高くなり、
結果として相続税評価額が高くなっています。

しかし、現実の売買価格(時価)としてはどうでしょうか。
傾斜度が大きいほど利用効率が悪くて需要が無く、
現実の売買価格(時価)は逆に低くなることの方が
多いのではないでしょうか。

【まとめ】

財産評価基本通達はよくできていますが、
どうしても画一化された評価であるため、
現実とかけ離れた評価になることもあります。

通達だから大丈夫と安易に評価してしまうと、
過大な評価額(税額)となる場合もあり、
時価として妥当かどうかのチェックが大切です。


2021/06/11
「相続税評価で、宅地の評価倍率が
1.1となっているのはどうしてですか?」

【評価倍率1.1の理由】

相続税評価額 :公示地価の80%水準
固定資産評価額:公示地価の70%水準

対象地の固定資産評価額を
相続税評価額の水準に合わせるために
70 × 1.1 = 77 ≒ 80
となるからです。

【公的価格バランス】

公示地価・基準地価を100=時価として、
相続税評価は80、固定資産評価は70
水準となっています。

■相続税路線価
路線価等は、1月1日を評価時点として、
1年間の地価変動などを考慮し、
地価公示価格等を基にした価格(時価)の
80%程度を目途に評価しています。

■固定資産評価
平成6年度の評価替えから、
土地基本法第16条や総合土地政策推進要綱等に基づく
「公的土地評価の均衡化・適正化」の要請により、
当時の相続税評価との均衡や、
昭和50年代の地価安定期における
地価公示価格に対する固定資産税の評価額の割合等から、
宅地の評価については地価公示価格等の
7割を目途に評価を行うこととされました。

【地目「雑種地」に注意】

雑種地の固定資産評価額に
そのまま宅地の評価倍率を乗じて
相続税評価額を出すことは、
適正な評価額とならない場合が多く、
否認されるリスクが非常に高くなります。

国税不服審判所平成16年3月31日裁決など、
雑種地の固定資産評価額に宅地の評価倍率を乗じて
否認された事例もあります。

<イメージ例>
宅地としての時価水準(100%水準)を
1,000万円とします。

宅地としての固定資産評価額(70%水準)は
1,000万円 × 70% = 700万円 となります。

雑種地としての固定資産評価額は、
仮に雑種地補正0.60とすると、
700万円 × 0.60(雑種地補正)= 420万円 です。
(利用状況や市町村によって減額割合は異なります)

宅地の評価倍率1.1倍を適用すると、
700万円 × 1.1倍 = 770万円(80%水準)
420万円 × 1.1倍 = 462万円(50%水準)

雑種地の固定資産評価額は、
地目補正が適用されて減額されているケースが多く、
雑種地の固定資産評価額に宅地の評価倍率を乗じると
このように大きな乖離が生じてしまいます。

特に、現況が宅地と類似する利用状況の場合や、
登記地目は「宅地」なのに、
課税地目が「雑種地」となっている場合など、
その固定資産評価額がどのように算定されているか
しっかり確認することが大切です。


2021/06/10
「不動産に抵当権が設定されているのですが、
評価に影響はありますか?」

【抵当権の評価への影響】

抵当権が設定されていることによる
鑑定評価額への影響は、基本的にありません。

「抵当権は減価要因ではない」ということです。

抵当権が交換価値を把握する権利で、
権利割合が変わるわけでもなく、
使用収益を制約するようなものでもないからです。

【登記簿乙区】

抵当権は価格に影響を及ぼさないため、
極論を言うと、評価にあたって
乙区欄の抵当権は読み飛ばしても大丈夫
ということになります。

一方、借地権(地上権・賃借権)、区分地上権、
地役権の設定の有無は価格に大きく影響するので、
しっかり確認する必要があります。

もちろん実務上は
抵当権を読み飛ばすことはなく、
各債権者の立ち位置や利害関係等について
確認することになります。

【金融機関(抵当権者)との関係】

抵当権が設定されていても、
不動産を自由に使うことができます。

処分も自由にできないわけではないですが、
実務的には優先弁済権を有する
金融機関と協議し、その同意を得た上で
売却することが一般的だと思います。

特に、共同担保となっている場合など
金融機関との協議が整わないと
現実的には売却困難となるケースもあります。

このような場合、
抵当権がない物件と抵当権がある物件で
現実的には差異があるようにも感じます。

【民法第369条】

「抵当権者は、債務者又は第三者が
占有を移転しないで
債務の担保に供した不動産について、
他の債権者に先立って
自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」


2021/06/07
「境界が未確定であることは、
土地の価格に影響がありますか?」

境界、筆界、所有権界など、
土地家屋調査士さんが活躍される分野です。

いわゆる境界が決まっていない、不明である、
明らかではない、境界紛争が起こっているなど、
土地の価格にどのような影響があるのでしょうか。

【価格への影響】

境界未確定であることは、
減価要因になる場合があります。

「場合がある」というのは、
個別的要因として個々の評価の際に減価する場合と、
地域の価格水準に織り込まれている等の理由から
個別的要因としては減価しない場合があるという意味です。

いずれにせよ、境界が確定している場合と比べ
境界未確定がマイナスの影響があることは明白です。

【評価に際しての考え方】

■周辺の不動産の境界が確定している場合

新しく分譲された住宅地や
地籍調査などで境界が確定している地域では、
標準的な土地(大半の土地)は境界確定しています。

このような地域の中にある境界未確定の土地は、
標準的な土地が境界確定されていることから、
個別的要因として個々の評価の際に減価が発生します。

■周辺の不動産も境界未確定の場合

古くからの農家集落地域などでは、
標準的な土地(大半の土地)は境界未確定です。

このような地域の中にある境界未確定の土地は、
標準的な土地も境界未確定であることから、
個別的要因としては評価の際に減価を行わないことが多いです。
地域の価格水準に既に織り込まれていると考えられるからです。

■境界紛争

境界紛争が起きているor起きる可能性が高い場合は、
通常の境界未確定の場合より減価の程度は大きくなります。

【相続税の物納】

境界未確定であることは、
地積増減の可能性、取引の際に問題が生じる可能性、
将来的な境界紛争の可能性など危険がいっぱいです。

さらに、相続税を払うために
土地を物納しようとしても、
境界未確定である場合は物納できません。

■国税庁 No.4214 相続税の物納
管理処分不適格財産
次に掲げるような財産は、物納に不適格な財産となります。
イ 不動産
(ハ) 境界が明らかでない土地

【まとめ】

以上のとおり、境界未確定であることは、
様々な問題が生じるリスクがあるため
土地の価格にマイナスの影響があります。

ただ、マイナスをどのように考慮するかは、
地域の標準的な土地と比べる必要があります。

みんなスーツを着ている中でパジャマは個性ですが、
みんなパジャマの中でパジャマを着ているのは普通です。

なお、境界問題で困った場合は、
不動産鑑定士ではなく、土地家屋調査士さんへ


2021/06/06
「そもそも鑑定評価ってなんですか?」

【鑑定評価とは】

鑑定評価とは、法律でも基準でも、
不動産の経済価値を判定し、
価格(賃料)として表示すること です。

ただ、これだけだと
誰でもできてしまうような気もしますよね。

■不動産の鑑定評価に関する法律(第2条)
不動産の鑑定評価とは、
「不動産の経済価値を判定し、
その結果を価額に表示することをいう。」

■不動産鑑定評価基準(総論・第1章第3節)
「不動産の鑑定評価は、
その対象である不動産の経済価値を判定し、
これを貨幣額をもって表示することである。」

【鑑定評価の手順】

鑑定評価の手順は、
不動産鑑定評価基準に定められています。

■不動産鑑定評価基準(総論・第8章)
① 鑑定評価の基本的事項の確定
② 依頼者、提出先等及び利害関係等の確認
③ 処理計画の策定
④ 対象不動産の確認
⑤ 資料の収集及び整理
⑥ 資料の検討及び価格形成要因の分析
⑦ 鑑定評価の手法の適用
⑧ 試算価格又は試算賃料の調整
⑨ 鑑定評価額の決定並びに鑑定評価報告書の作成

けっこういろんな手順があるんだなと
思って頂けるでしょうか。

どんな資料を集めるのか。
その資料や価格形成要因をどう分析するのか。
どのように鑑定評価の手法を適用するのか。

評価主体によって考え方が違う場合もあり、
これらの違いが結果の違いに直結していきます。

【練達堪能な専門家】

このような鑑定評価の手順を
適切に行って、適正な判定を行うためには、
やはり練達堪能な専門家である必要があります。

■不動産鑑定評価基準(総論・第1章第3節)
「鑑定評価は、高度な知識と豊富な経験及び
的確な判断力を持ち、さらに、
これらが有機的かつ総合的に発揮できる
練達堪能な専門家によってなされるとき、
初めて合理的であって、
客観的に論証できるものとなるのである。」

【まとめ】

“鉛筆なめなめ”などと
揶揄されることもある鑑定評価。

こうやって概要を見るだけでも、
様々な資料を集めて分析して、
しっかり評価していると思いませんか??


2021/06/03
「小規模宅地等の特例を適用する土地について、
鑑定評価で相続税評価額を
適正に見直すことはできますか?」

【小規模宅地等の特例は“天敵”】

小規模宅地等の特例を適用する土地は、
鑑定評価をするメリットが無いことがほとんどです。

小規模宅地等の特例は、
まさに「特例」として相続税評価額を下げるもので、
特例が適用されるからといって、
土壌汚染など具体的な減価があるわけではありません。

鑑定評価においては、
具体的な減価の要因がないものを
勝手に減価することはできないため、
小規模宅地等の特例は
鑑定評価の“天敵”となってしまうのです。

【小規模宅地等の特例の減額割合】

小規模宅地等の特例を適用するための要件は、
ざっくりいうと
被相続人または生計一親族の
事業用または居住用の宅地等で、
建物または構築物の敷地であること です。

この要件に該当すると、
限度面積はあるものの、
▲50%〜▲80%もの大きな減価となります。

しかし、鑑定評価においては、
被相続人等の事業用・居住用の建物敷地であることは
全く減価の要因にはなりません。
減額割合ゼロです。

【遺産分割における注意点】

小規模宅地等の特例は、
相続税評価額を下げる(相続税額を下げる)ためには
非常に大きな効果があるものです。

しかし、当該土地に
具体的な減価が発生しているわけではなく、
本来的な資産価値(時価)には全く影響がありません。

そのため、遺産分割をされる場合、
特に裁判や調停など分割方法でもめている場合は、
本来的な資産価値(時価)との乖離にご注意ください。

小規模宅地等の特例を適用した相続税評価額を
適正な「時価」であると主張されるケースも散見されます。

その価格(相続税評価額)が
どのような前提で評価されているのか、
しっかり見ていくことが大切です。


2021/05/24
「競売の評価書の評価額を
時価と考えてもよいでしょうか」

このようなご質問も良く頂きます。

【競売の評価額≠時価】

競売の評価額を、
時価として取り扱うことはできません。

競売不動産の評価は、競売市場における
売却基準価額を定めるためのものですので、
一般の鑑定での正常価格(時価)とは異なり、
競売特有の価格形成要因を考慮する必要があります。

競売の評価書では、評価の最後に
「競売市場修正」がなされていることが
最も大きな違いです。
(途中までの評価は一般の鑑定と同様です。)

【競売市場修正】

地域や物件により異なりますが、
概ね▲30%〜▲50%程度の減価がされています。

通常評価 1,000万円=時価
競売評価 1,000万円×0.60(競売市場修正)=600万円
というイメージです。

 ① 事前に立ち入って内部を確認できないこと
 ② 売主(所有者)の協力が得られないこと
 ③ 引渡しを受けるために法定の手続きが必要な場合があること
 ④ 早期売却のため売出し期間が限られること
 ⑤ 保証金の提供、短期間に代金全額を納付する必要があること

このような理由により、競売の評価は、
一般の評価(時価)とは異なることになります。

「民事執行の実務 不動産執行編 上」
東京地方裁判所民事執行センター実務研究会編著
金融財政事情研究会発行でも、下記のとおり記載があります。

「競売不動産の評価は,競売市場における最低売却価額
(平成16年法改正前)を定めるためのものであるから,
一般の鑑定におけるいわゆる正常価格
(一般市場において形成される価格)とは異なり,
競売特有の価格形成要因を考慮する必要がある。」

【正常価格(時価)とは?

不動産鑑定評価基準によると、下記のとおりです。
競売市場の前提とは異なっていることがわかります。

正常価格とは、市場性を有する不動産について、
現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる
条件を満たす市場で形成されるであろう
市場価値を表示する適正な価格をいう。

この場合において、現実の社会経済情勢の下で
合理的と考えられる条件を満たす市場とは、
以下の条件を満たす市場をいう。

(1)市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、
   参入、退出が自由であること。
(2)取引形態が、市場参加者が制約されたり、
   売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような
   特別なものではないこと。
(3)対象不動産が相当の期間市場に公開されていること


2021/05/20
「相続と売買がようやく終わったのに、
公衆用道路で非課税になっていた
私道が出てきてしまいました。
どうしたらいいでしょうか?」

【固定資産評価証明書】

非課税の私道の場合、
固定資産評価証明書(課税明細書等)に
載っていないことがあります。
(市町村により異なります)

非課税についても記載するよう申請するか、
全物件が載っている名寄帳等を見る必要があります。

売買や相続等の場合、非課税私道を失念し、
私道以外の不動産だけで
手続きを進めてしまうことにもなりかねません。

後から気が付いてビックリ!どうしよう…。
というのは、けっこう“あるある”です。

【私道の評価】

後から気が付いて私道だけの譲渡をする場合、
今度はいくらにすれば良いのかが問題になります。

「土地価格比準表」(七次改訂・地価調査研究会編著)
によると、標準住宅地域の私道減価として
以下のとおり記載されています。

準公道的私道  ▲80%以上
共用私道    ▲50%〜▲80%
専用私道    減価の記載なし

普通に考えると、私道なんて全く価値が無く、
ゼロでいいじゃないかと思ってしまいますし、
実際の取引ではそのような場合も多いです。

今回の場合は、公衆用道路になっているため、
不特定多数の者の通行の用に供されていることが推認されますので、
準公道的私道もしくは共用私道に該当する可能性が高いです。

ただ、私道といってもいろんな種類があり、
すぐに宅地に戻して普通に宅地利用できる私道もあれば、
将来的にずっと道路になっている私道もあります。

将来的にずっと私道ならゼロ評価でしょうが、
すぐに宅地に戻せる私道がゼロっておかしいですよね。

このような「宅地転化の可能性」によって
私道の価値は大きく変わってきます。

建築基準法上の道路かどうか、
どのような道路に指定されているかで
宅地転化の可能性がどれくらいか調べることができます。

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