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鑑定評価には、土地評価の際に
周辺の売買実例価格(取引事例)から
価格を求める方法があります。
取引事例比較法といって、
市場性、マーケットアプローチから
価格を求める手法です。
【実務上の問題点】
この中でよく質問を受けるのが、
どのような売買実例価格(取引事例)を
選んでいるのか?ということです。
極端な話、高い事例から評価したら高くなり、
安い事例から評価したら安くなります。
評価主体の恣意性が疑われるケースもあったりします。
裁判上の評価等でも、高く評価したい方は
高い事例に基づいてこの土地は高いと主張し、
安く評価したい方は安い事例に基づいて安いと主張し、
平行線をたどってしまうケースも多いです。
実際の売買ですから、路線価=取引価格と
1点で決まるものではなく、
市場における中心価格帯という“幅”の中に
入っているかが大切だと考えます。
とはいえ、この幅の上下はそれなりにあって、
“ストライク高め”と“ストライク低め”では、
どちらも正しいけど、価格はかなり違う
というようなことも起こったりします。
【事例選択4要件】
鑑定評価のルールである不動産鑑定評価基準では、
何でも自由に事例を採用してもよいわけではなく、
ちゃんとルールに則って選択・採用しましょうと
4つの要件が定まっています。
■場所的同一性
同一需給圏内の類似地域等に存する不動産であること。
同一需給圏内の代替競争不動産であること。
■事情の正常性(事情の正常補正可能性)
取引等の事情が正常なものと認められるものであること。
正常なものに補正することができるものであること。
■時点修正可能性
時点修正をすることが可能なものであること。
■地域要因及び個別的要因の比較可能性
地域要因の比較及び個別的要因の比較が可能なものであること。
上記のほか、投機的取引はそもそもダメですし、
その他適正を欠くと認められる事例も選択・採用できません。
事例が豊富にある住宅団地などは
良い事例を多数収集して選択・採用できるのですが、
大規模工場や農家集落地域など、
取引事例がそもそも少ないところは
どのような事例を採用するか鑑定士の腕の見せ所です。
最終結果である鑑定評価額だけを見るのではなく、
どんな事例に基づいて評価をしているのかなと
評価の過程も見て頂けるとうれしいです。
士業の先生の不動産評価に関するご相談、お待ちしています
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