令和4年公示地価の結果について
近畿圏の状況を見ていきたいと思います。
各府県の代表的な地点をピックアップします。
【概 況】
新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に緩和される中で、
全体的に昨年からは回復傾向が見られます。
全国の変動率上昇トップ10は、
北海道の北広島市(ボールパーク)と
福岡市の博多区・中央区(天神ビッグバン)が大半で
残念なことに近畿圏は1地点も入っていません。
逆に、全国の変動率下落トップ10では、
商業地10地点のうち実に9地点が大阪ミナミです。
とはいえ、下落率は半分程度に縮小しています。
年間変動率(R3.1.1~R4.1.1)は
新聞やインターネットですぐ検索できますので、
このブログでは半年毎の地価動向を見ていきます。
全体的に、前半(R3.1.1~R3.7.1)よりも
後半(R3.7.1~R4.1.1)のほうが地価は回復傾向にあります。
【滋賀県】
■大津市・JR大津駅前(商業地)
R3.1.1 349,000円/㎡
R3.7.1 349,000円/㎡(±0.0%)
R4.1.1 354,000円/㎡(+1.4%)
大津駅前は、年間変動率は+1.4%ですが、
前半は横ばい、後半が地価上昇となっています。
【京都府】
■京都市東山区・祇園(商業地)
R3.1.1 3,200,000円/㎡
R3.7.1 3,150,000円/㎡(▲1.6%)
R4.1.1 3,200,000円/㎡(+1.6%)
祇園の四条通沿いは、年間変動率は±0.0%ですが、
前半は下落、後半は地価上昇となっています。
四条通沿いに立地する希少性から需要は底堅く、
ホテルの新規開業も見られ、
さらには国内観光客等の人流も回復傾向にあることから、
地価は横ばいに転じました。
■京都市中京区・地下鉄丸太町駅付近(商業地)
R3.1.1 860,000円/㎡
R3.7.1 860,000円/㎡(±0.0%)
R4.1.1 865,000円/㎡(+0.6%)
御所南エリアでも、年間変動率は+1.4%ですが、
前半は横ばい、後半が地価上昇となっています。
【大阪府】
■大阪市北区・グランフロント(商業地)
R3.1.1 22,900,000円/㎡
R3.7.1 22,500,000円/㎡(▲1.8%)
R4.1.1 22,100,000円/㎡(▲1.8%)
大阪キタは、年間変動率は▲3.5%で、
前半・後半とも同じくらいの下落率となっています。
一等地におけるオフィス需要は比較的堅調で、
人流は回復傾向にあるものの、新型コロナの影響により
店舗・ホテルの収益性が低下しているため、
地価の下落が継続しています。
■大阪市中央区・ミナミ戎橋付近(商業地)
R3.1.1 21,100,000円/㎡
R3.7.1 19,000,000円/㎡(▲10.0%)
R4.1.1 18,800,000円/㎡(▲1.1%)
大阪ミナミは、年間変動率は▲10.9%と大きいですが、
ほとんどが前半の下落で、後半は微減となっています。
人流は回復傾向にあるものの、新型コロナの影響により、
インバウンドを中心とした観光需要が減退し、
物販及び飲食店舗の収益性が低下しているため、
地価の下落が継続しています。
【兵庫県】
■神戸市中央区・三ノ宮駅前(商業地)
R3.1.1 6,500,000円/㎡
R3.7.1 6,200,000円/㎡(▲4.6%)
R4.1.1 6,120,000円/㎡(▲1.3%)
三ノ宮駅前は、年間変動率は▲5.8%となっていますが、
前半の下落に比べ、後半はかなり下落率が縮小しています。
【奈良県】
■奈良市・近鉄奈良駅前(商業地)
R3.1.1 730,000円/㎡
R3.7.1 722,000円/㎡(▲1.1%)
R4.1.1 720,000円/㎡(▲0.3%)
近鉄奈良は、年間変動率は▲1.4%となっていますが、
ほとんどが前半の下落で、後半は微減となっています。
【和歌山県】
■和歌山市・JR和歌山駅前(商業地)
R3.1.1 442,000円/㎡
R2.7.1 442,000円/㎡(±0.0%)
R2.1.1 442,000円/㎡(±0.0%)
JR和歌山駅前は、年間変動率±0.0%と横ばいです。
前半後半とも±0.0%で、地価下落はありません。