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  3. 鑑定評価の実務 〜競売の評価額と時価〜
 

鑑定評価の実務 〜競売の評価額と時価〜

「競売の評価書の評価額を
時価と考えてもよいでしょうか」

このようなご質問も良く頂きます。

【競売の評価額≠時価】

競売の評価額を、
時価として取り扱うことはできません。

競売不動産の評価は、競売市場における
売却基準価額を定めるためのものですので、
一般の鑑定での正常価格(時価)とは異なり、
競売特有の価格形成要因を考慮する必要があります。

競売の評価書では、評価の最後に
「競売市場修正」がなされていることが
最も大きな違いです。
(途中までの評価は一般の鑑定と同様です。)

【競売市場修正】

地域や物件により異なりますが、
概ね▲30%〜▲50%程度の減価がされています。

通常評価 1,000万円=時価
競売評価 1,000万円×0.60(競売市場修正)=600万円
というイメージです。

 ① 事前に立ち入って内部を確認できないこと
 ② 売主(所有者)の協力が得られないこと
 ③ 引渡しを受けるために法定の手続きが必要な場合があること
 ④ 早期売却のため売出し期間が限られること
 ⑤ 保証金の提供、短期間に代金全額を納付する必要があること

このような理由により、競売の評価は、
一般の評価(時価)とは異なることになります。

「民事執行の実務 不動産執行編 上」
東京地方裁判所民事執行センター実務研究会編著
金融財政事情研究会発行でも、下記のとおり記載があります。

「競売不動産の評価は,競売市場における最低売却価額
(平成16年法改正前)を定めるためのものであるから,
一般の鑑定におけるいわゆる正常価格
(一般市場において形成される価格)とは異なり,
競売特有の価格形成要因を考慮する必要がある。」

【正常価格(時価)とは?

不動産鑑定評価基準によると、下記のとおりです。
競売市場の前提とは異なっていることがわかります。

正常価格とは、市場性を有する不動産について、
現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる
条件を満たす市場で形成されるであろう
市場価値を表示する適正な価格をいう。

この場合において、現実の社会経済情勢の下で
合理的と考えられる条件を満たす市場とは、
以下の条件を満たす市場をいう。

(1)市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、
   参入、退出が自由であること。
(2)取引形態が、市場参加者が制約されたり、
   売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような
   特別なものではないこと。
(3)対象不動産が相当の期間市場に公開されていること

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