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鑑定評価ってどうやるの? 〜無道路地の評価〜

今回は無道路地の評価、

特に道路への通路を開設することについて

考えてみたいと思います。

 

実務をしていると、

通達評価や固定資産評価より、

現実的にはより大きな減価となる可能性

高いのではないかと考えます。

 

【無道路地とは】

 

■接道義務

建築基準法上の道路間口2m以上接面していないと、

その土地上に建物を建築することはできません。

 

建築基準法第43

「建築物の敷地は、道路に2メートル以上接しなければならない。」

 

■減価要因

単独で土地利用ができないor非常に困難で、

道路に通じる権利を取得できて初めて利用可能になります。

 

その土地上に建物が建つか建たないかは、

土地の価格を倍半分変えるくらい大きな影響があります。

 

【財産評価基本通達における評価】

 

No.4620無道路地の評価で、

「最小限度の通路を開設する場合のその通路に相当する部分の価額」

とされ、具体的には

正面路線価×通路部分の面積=通路開設費用となっています。

また、無道路地の価格の40%が上限です。

 

【固定資産評価】

 

「通路開設補正率」に基づき、

奥行距離によって減価率が異なります。


下記のとおり奥行距離だけで一律に評価されています。

 

奥行距離  減価率

10m以下  ▲10

20m以下  ▲20

30m以下  ▲30

30m超   ▲40

 

【鑑定評価】

 

「土地価格比準表(七次改訂)」(地価調査研究会編著)では

「現実の利用に最も適した道路等に至る距離等の状況を考慮し

取付道路の取得の可否及びその費用を勘案して

適正に定めた率を持って補正するものとする」

とされています。

 

通路開設の実現性と不確実性

しっかり考慮して評価することになります。

 

【考 察】

 

一般的な市場において、

「最小限度の通路」部分だけを

路線価と同じ通常の相場で

取得できる可能性はどれだけあるでしょうか。

 

仮に取得できるとしても、

隣接地全部を買わないと売ってもらえなかったり、

開設通路上に建物があって取り壊しが必要だったり、

複数筆に分かれて所有者が異なっていたり、

生産緑地になっていたりetc.

現実的には大きな問題が出てきます。

 

隣接地からすると不合理分割になるかもしれず、

その分高値で買わないといけない場合もあるでしょう。

 

そして、その売買交渉が成功するとは限らず

またある程度の交渉期間が必要になってきます。

 

そうすると、最小限度の通路を想定したり、

奥行距離で一律評価したりすることだけでは、

必ずしも「時価」とは言えない場合も出てきそうです。

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