士業専用ダイヤル
家賃支援給付金を申請される際、
契約書が無いことも多いのではないでしょうか。
特に、昔からの賃貸借契約であれば、
そもそも作っていない。
過去に作ったが、大事にしまい過ぎて出てこない。
このようなこともあるかと思います。
その場合、賃貸借契約書に代わって
「賃貸借契約等証明書」を添付する必要があります。
この「賃貸借契約等証明書」の添付にあたっては
十分に気を付けて頂きたいというのが今回のテーマです。
【家賃支援給付金】
売上の減少に直面する
事業者の事業継続を下支えするため、
地代・家賃の負担を軽減する給付金です。
添付するいくつかの書類のうち、
「賃貸借契約書の写し」があります。
元々作成されていて、現在も有効なものであれば
このブログでの懸念は該当しません。
賃貸借契約書が無く、
「賃貸借契約等証明書(契約書等が存在しない場合)」
を添付する場合が該当します。
【賃料の改定(継続賃料評価)】
不動産鑑定士の業務の中には、
賃料を改定するための評価があります。
現行賃料は月額50万円だけど、
今の相場では月額20万円なので下げたい。
または、現行20万円で相場50万円だから上げたい。
このような場合の賃料評価のことです。
【直近合意時点】
「継続賃料の鑑定評価は、原則として、
直近合意時点から価格時点までの事情変更を
考慮するものであり、直近合意時点は
事情変更を考慮する起点となるものである。」
とされています。
契約書が無く、たとえば
昭和初期に契約されている場合は、
その昭和初期の時が「直近合意時点」となります。
また、バブルの時の契約なら、
バブルの時が「直近合意時点」です。
ここからの経済情勢などの事情変更を加味して
賃料が上がったり下がったりすることになります。
しかし、賃貸借契約等証明書を現在時点で作成すると、
この書類の作成時点が「直近合意時点」であると
相手方から主張される可能性があります。
というのも、賃貸借契約等証明書には、
・物件の所在地
・物件の名称
・契約期間
・賃料等
・共益費・管理費
・賃貸人自署(年月日欄)
・賃借人自署(年月日欄)
を記載することになっています。
現在の賃料等を記載した書面に双方が署名するわけですので、
「現在時点において、現行賃料で双方合意した。」
という意味に捉えられかねません。
仮に、今この時点でお互い合意したとされてしまうと、
昭和初期からの物価上昇が反映されずに増額できなかったり、
バブル時からの地価下落が反映されずに減額できなかったり、
大きな影響が出てくる可能性があります。
必ずしも賃貸借契約等証明書を
作成することがダメだということではありませんが、
将来不測の事態が起きないように
しっかりご検討されることをお勧めいたします。
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