士業専用ダイヤル
9月3日の日経に<もがくREIT>として、
「物流系に資金、進む二極化」
という記事が掲載されていました。
「不動産投資信託(REIT)市場で二極化が鮮明だ。
新型コロナウイルスの影響で
稼働率低下や賃料収入の減少が続く
ホテル系や商業施設系の買いが手控えられる一方、
物流施設系は値上がりが目立つ。」
と書かれています。
これまでの二極化
これまでの「二極化」は、
都市部と地方との二極化、
便利な駅前と不便な郊外との二極化など、
エリア毎に二極化が広がっていたのが特徴でした。
コロナ禍による二極化
一方、新型コロナウイルスの影響では、
これまでのエリア毎の二極化だけではなく、
物件種別による二極化も広がってきたことが伺えます。
■工業地
一括りに工業地と言っても、
物流倉庫系、工場(大工場・中小工場)系では
影響が異なってくると考えます。
物流・倉庫系は、巣ごもり消費が伸び、
倉庫需要が増加するとの期待で堅調に推移しています。
一方、コロナ禍による需要急減などで
操業が停止した工場系はダメージを受けています。
さらに、大企業が所有する大規模工場より、
中小企業が所有する中小工場のほうが
大規模工場より大きなダメージを受けていることも。
■商業地
店舗、ホテル、オフィスビル等で
影響が出てくるタイミングが変わってきます。
店舗やホテルは、需要蒸発により
ダイレクトに収益を直撃し、
業績への打撃がタイムリーに顕在化します。
一方、オフィスビルは賃貸借契約により
解約まで数ヶ月必要な場合が多く、
店舗やホテルのように
タイムリーには収益に影響を与えません。
ただ、今後は在宅勤務の普及等により
オフィスビルについても影響は避けられず、
今後じわじわと影響が出てくるものと思われます。
NAV倍率
不動産を時価評価した純資産価値に対する
投資口価格の割安度を表す指標です。
株式の株価純資産倍率に相当します。
現在は、物流系REITは1倍以上、
商業系REITは1倍未満が多いです。
不動産のうち収益物件は、
収益価格(その物件からいくら儲かるか)で
時価が決まります。
商業系の店舗・ホテル・オフィスビル等では
テナントからの賃料減額要請も多く、
賃料減額=収益性低下=収益価格(時価)低下です。
NAV倍率が最も低いもので0.5倍、
純資産が「1」あるのに「0.5」でしか
評価されていないことになります。
仮に、収益や賃料の大きな下落で、
「0.5」が市場における適正価格だとしたら、
将来的に純資産価格が半減してもおかしくないかもしれません。
(もちろん単なるイメージで極端な解釈ですが)
商業系の不動産価格は下落していくことになり、
これまで地価上昇をけん引していた
ホテルの市場動向からも目が離せなくなります。
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