士業専用ダイヤル
価格を求める基本的な3手法「原価法」の中で、
前回の「建物の再調達原価」に続き、
「建物の耐用年数」についてです。
こちらも裁判上の評価でよく争点になります。
耐用年数が長ければ、建物価格は高くなり、
耐用年数が短ければ、建物価格は低くなります。
建物の耐用年数
法定耐用年数、物理的耐用年数、経済的耐用年数など
様々な耐用年数が存在します。
■法定耐用年数
国税庁が主な減価償却資産の耐用年数として、
建物及び建物附属設備の耐用年数を定めています。
会計士さんや税理士さんは
構造・用途・細目別の耐用年数を使って
日々の業務をされていることと思います。
■物理的耐用年数
鉄筋コンクリート造(RC造)について、
上記の法定耐用年数では
最大でも50年となっていますが、
物理的な耐久性だけであれば
もっと耐用年数は長くなります。
現実的には、建物の機能や設備、間取り等が
時代にそぐわなくなって取り壊されることが多いですが、
物理的に存在するという意味ではとても頑丈です。
■経済的耐用年数
建物が経済的に価値を有する年数です。
上記の物理的耐用年数より短いのが通常です。
鑑定評価における耐用年数
鑑定評価では、経過年数よりも
経済的“残存”耐用年数に重点を置いて評価します。
また、法定耐用年数のように
木造住宅22年、RC造事務所50年など
年数が定まっているわけではありません。
そのため、木造であれば25〜35年程度、
RC造であれば40〜50年程度など一定の幅が存在します。
また、大規模修繕などがされていると、
耐用年数を延長して評価することも可能です。
もちろん、木造が50年でRC造が20年のように
完全に逆転するような耐用年数の判断はできませんが、
合理的に説明できる一定の幅があるということは、
建物の価格に大きな影響があるということになります。
同じ建物でも、経済的残存耐用年数が
5年と15年であれば、3倍近い価格差となり、
仮に5年が1,000万円なら、15年は3,000万円となるなど
耐用年数1つで大きな価格差が生まれてしまいます。
このように、建物の耐用年数と言っても、
どのような根拠に基づいて、
どのように評価主体が判断するかによって
大きく変わってくることがあります。
士業の先生の不動産評価に関するご相談、お待ちしています
などなどお気軽に「ちょい聞き」してください!
TEL:077-596-5753(電話受付:平日 9:00〜17:00)
※当事務所は士業専門の不動産鑑定サービスを提供しておりますので、一般の方からのお問合せはご遠慮いただいております。ご了承ください。
※一般の方はこちら ≫公益社団法人滋賀県不動産鑑定士協会