士業専用ダイヤル
価格を求める基本的な3手法のうち
「原価法」について、
裁判上の評価でよく争点になる
「建物の再調達原価」についてです。
再調達原価が高ければ、建物価格は高くなり、
再調達原価が低ければ、建物価格は低くなります。
建物の再調達原価
「対象不動産を価格時点において
新たに再調達することを想定した場合において
必要とされる適正な原価の総額をいう。」
建物の建築費は千差万別です。
パッと見は同じような建物であっても、
実際は倍半分の差があったりします。
鑑定士も実務経験を積み重ねることにより、
建物のグレードや構造・工法、建築費等について
ある程度の知識を深めてはいますが、
建築士さんのような完全な専門家ではありません。
そのため、様々な資料に基づいて
評価の対象となる建物の再調達原価を査定します。
■実際の建築費
建物建築請負契約書や固定資産台帳等から
実際の建築費を調べる方法です。
対象建物の建築費実額ですので、
個別具体性があり、説得力は非常に強いです。
ただ、価格時点と建築時期の違いをどう調整するのか、
(一般的には建築費指数等で時点修正します。)
特別な事情で割高・割安な建築費になっていないか
しっかり確認することが必要です。
■国税・標準的な建築価額表
国税が毎年の標準的な建築価額を公表しているもので、
SRC・RC・S・W造など構造別に数値が出ています。
国税の数字ですので、一定の信頼感はありますが、
年と構造のみで建築費単価が出ていますので、
地域別・個別の建築費や事情が
十分に反映されないことに注意が必要です。
■JBCI(ジャパン・ビルディング・コスト・インフォメーション)
実際の契約価格を分析対象としているため、
建物の取引価格について信頼度の高い価格傾向を把握できます。
地域別・構造別などで検索できるのですが、
対象建物の個別具体的な部分は反映されません。
■建物の鑑定評価必携 建物実例データ集
「建物鑑定評価」の資料集です。
建物鑑定評価の方法論について、
その基礎的な事項が体系的に書かれています。
鑑定士だと、非常になじみ深い書籍です。
様々な建物が掲載されていますが、
どの建物を基準にするかによって
再調達原価が変わってくることもあります。
資本的支出・大規模修繕・耐震性能等
建物建築後、通常の維持管理のみされている場合は
あまり関係ないのですが、
大規模修繕や資本的支出、増改築などがあった場合、
適切に反映していく必要があります。
このように、建物の再調達原価と言っても、
どのような資料に基づいて、
どのように評価主体が判断するかによって
大きく変わってくることがあります。
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