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  3. 鑑定って何を見てるの? 〜価格形成要因・地域要因<住宅地域>〜
 

鑑定って何を見てるの? 〜価格形成要因・地域要因<住宅地域>〜

鑑定評価って何を見て値段付けるの?

第2回目は「地域要因」です。

 

前回の「一般的要因」で大きな流れをつかんだら、

次にするのが地域の分析です。

 

評価の対象となる不動産がどんな地域にあって、

どんなことが重視されて売買されているのか。

 

住宅地域、商業地域、工業地域、農地山林で

異なってきますので、順に見ていきましょう。

 

住宅地域の地域要因

 

不動産鑑定評価基準では、

住宅地域の地域要因として14項目が例示されています。

その中から抜粋してご紹介いたします。


住宅地域は、生活利便性居住環境
この2つが価格を決める重要な要素です。

 

■日照、温度、湿度、風向等の気象の状態


 住宅地域は日照が大切ですよね。

 不動産広告にも「南向き」「日当たり良好」など

 南→東→西→北の順に好まれる傾向があります。

 

 商業地域や工業地域は、日照や方位は気にしないので、

 住宅地域ならではの要因です。


 ちなみに、相続税路線価や固定資産評価額は
 方位による影響は考慮されていません。

 

 鑑定士が道に迷うことは職業柄ほとんどないのですが、

 たまにわからなくなった場合は、

 周囲のマンションのベランダをチェックしたりします。

 

 できるだけ南向きにベランダを作る傾向がありますので、

 いくつか見ていけば南の方角がだいたいわかります。

 太陽が出ていない時、時間がわからない時でも使える小技です。

 

■街路の幅員、構造等の状態

 

 地域によって求められる道路幅員は異なりますが、

 地方や郊外など車を使うことが多い住宅地域では

6m以上の幅員が好まれます。

 

 狭幅員だと車の運転が難しかったり、離合できなかったり。

 4m未満だったら、セットバックの可能性も出てきます。

 交差点の隅切りも運転しやすさに大きな差が出ますよね。

 

 現地調査では、何度も無謀な挑戦をして

車にキズを作ってしまっているので(反省)、

現地調査前に周辺の幅員を調べるのは必須です。

 

■都心との距離及び交通施設の状態

 

 どれだけ居住環境が良くても、

 通勤通学などの便が悪いと大変ですよね。

 

 しかし、コロナで在宅勤務が進むと、

 このあたりの価値判断は変わってきそうです。

 

■商業施設の配置の状態

 

 日々の生活のための買い物も便利な方が良いですよね。

 単なるコンビニというよりは、

 日常生活を送るために必要なスーパー等が該当します。

 

■上下水道、ガス等の供給・処理施設の状態

 

 都会では当たり前になっていますが、

 上下水道ガスの整備が進んでいない地域もあります。

 

 上水道はほぼどこでも供給されているのですが、

 場所によっては簡易水道井戸水など様々です。

 

 下水道も、公共下水道集落排水集団浄化個別浄化など

 様々なパターンがあります。

 

 さらに、前面道路に敷設されていないと

宅内への引込に多額の費用が掛かったり、

 そもそも敷設されている管の容量が小さくて、

 引き込めなかったりと見えない部分での差も大きいです。

 

■洪水、地すべり等の災害の発生の危険性

■騒音、大気の汚染、土壌汚染等の公害の発生の程度

 

 最近は土砂災害や河川氾濫が増えています。


 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)のほか

ハザードマップで浸水可能性についてチェックしたり、

より一層重視されていく項目だと思います。

 

また、元々が池や沼だったところは地盤が緩く

元々山を切り拓いたところは盛土部分での土砂災害の可能性

元々工場だったところは土壌汚染の可能性等が出てきます。

 

昔がどうだったかは、ネットで過去の航空写真を見たり、

図書館で古い住宅地図を見ることで調べることができます。

 

住宅地域にもさらに種類がある

 

住宅地域といっても、さらに細分化できます。

優良住宅地域

標準住宅地域

混在住宅地域

農家集落地域

別荘地域 等です。

 

それぞれ細分化された地域によって、

上記項目の影響の程度はそれぞれ変わってきます。


居住環境は、時代の流れによって価値観が変わりますが、
生活利便性はいつの時代も強いなと感じます。

士業の先生の不動産評価に関するご相談、お待ちしています

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