士業専用ダイヤル
鑑定評価って何を見て値段付けるの?
第2回目は「地域要因」です。
前回の「一般的要因」で大きな流れをつかんだら、
次にするのが地域の分析です。
評価の対象となる不動産がどんな地域にあって、
どんなことが重視されて売買されているのか。
住宅地域、商業地域、工業地域、農地山林で
異なってきますので、順に見ていきましょう。
住宅地域の地域要因
不動産鑑定評価基準では、
住宅地域の地域要因として14項目が例示されています。
その中から抜粋してご紹介いたします。
■日照、温度、湿度、風向等の気象の状態
住宅地域は日照が大切ですよね。
不動産広告にも「南向き」「日当たり良好」など
南→東→西→北の順に好まれる傾向があります。
商業地域や工業地域は、日照や方位は気にしないので、
住宅地域ならではの要因です。
鑑定士が道に迷うことは職業柄ほとんどないのですが、
たまにわからなくなった場合は、
周囲のマンションのベランダをチェックしたりします。
できるだけ南向きにベランダを作る傾向がありますので、
いくつか見ていけば南の方角がだいたいわかります。
太陽が出ていない時、時間がわからない時でも使える小技です。
■街路の幅員、構造等の状態
地域によって求められる道路幅員は異なりますが、
地方や郊外など車を使うことが多い住宅地域では
6m以上の幅員が好まれます。
狭幅員だと車の運転が難しかったり、離合できなかったり。
4m未満だったら、セットバックの可能性も出てきます。
交差点の隅切りも運転しやすさに大きな差が出ますよね。
現地調査では、何度も無謀な挑戦をして
車にキズを作ってしまっているので(反省)、
現地調査前に周辺の幅員を調べるのは必須です。
■都心との距離及び交通施設の状態
どれだけ居住環境が良くても、
通勤通学などの便が悪いと大変ですよね。
しかし、コロナで在宅勤務が進むと、
このあたりの価値判断は変わってきそうです。
■商業施設の配置の状態
日々の生活のための買い物も便利な方が良いですよね。
単なるコンビニというよりは、
日常生活を送るために必要なスーパー等が該当します。
■上下水道、ガス等の供給・処理施設の状態
都会では当たり前になっていますが、
上下水道ガスの整備が進んでいない地域もあります。
上水道はほぼどこでも供給されているのですが、
場所によっては簡易水道や井戸水など様々です。
下水道も、公共下水道や集落排水、集団浄化や個別浄化など
様々なパターンがあります。
さらに、前面道路に敷設されていないと
宅内への引込に多額の費用が掛かったり、
そもそも敷設されている管の容量が小さくて、
引き込めなかったりと見えない部分での差も大きいです。
■洪水、地すべり等の災害の発生の危険性
■騒音、大気の汚染、土壌汚染等の公害の発生の程度
最近は土砂災害や河川氾濫が増えています。
土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や
土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)のほか
ハザードマップで浸水可能性についてチェックしたり、
より一層重視されていく項目だと思います。
また、元々が池や沼だったところは地盤が緩く、
元々山を切り拓いたところは盛土部分での土砂災害の可能性、
元々工場だったところは土壌汚染の可能性等が出てきます。
昔がどうだったかは、ネットで過去の航空写真を見たり、
図書館で古い住宅地図を見ることで調べることができます。
住宅地域にもさらに種類がある
住宅地域といっても、さらに細分化できます。
優良住宅地域
標準住宅地域
混在住宅地域
農家集落地域
別荘地域 等です。
それぞれ細分化された地域によって、
上記項目の影響の程度はそれぞれ変わってきます。
士業の先生の不動産評価に関するご相談、お待ちしています
などなどお気軽に「ちょい聞き」してください!
TEL:077-596-5753(電話受付:平日 9:00〜17:00)
※当事務所は士業専門の不動産鑑定サービスを提供しておりますので、一般の方からのお問合せはご遠慮いただいております。ご了承ください。
※一般の方はこちら ≫公益社団法人滋賀県不動産鑑定士協会