士業専用ダイヤル
国土交通省から8月21日に発表された
地価LOOK令和2年第2四半期(4/1〜7/1)、
近畿圏についてもう少し詳しく見ていこうと思います。
概況には、以下のような調査結果がありました。
「用途別では、商業系が
住宅系より下落地区の割合が高く、
地域別では、大都市圏が地方圏より
下落地区の割合がやや高くなった。」
「マンションやオフィスの需給バランスに
大きな変化は見られていない。」
実際に近畿圏ではどのようになっているのでしょうか?
■滋賀県
住宅地 南草津駅周辺 0%横ばい
商業地 調査地区設定なし
■京都府
住宅地 下鴨 0%横ばい
桂 0%横ばい
二条 0〜3%下落
商業地 京都駅周辺 0〜3%下落
河原町 0〜3%下落
烏丸 0〜3%下落
■大阪府
住宅地 豊中 0%横ばい
天王寺 0%横ばい
福島 0〜3%下落
商業地 西梅田 0〜3%下落
中之島西 0〜3%下落
北浜 0〜3%下落
OBP 0〜3%下落
新大阪 0〜3%下落
阿倍野 0〜3%下落
江坂 0〜3%下落
茶屋町 3〜6%下落
心斎橋 3〜6%下落
なんば 3〜6%下落
■兵庫県
住宅地 六甲 0%横ばい
甲子園口 0%横ばい
芦屋 0%横ばい
商業地 西宮北口 0〜3%下落
三宮駅前 3〜6%下落
■奈良県
住宅地 奈良登美ヶ丘 0%横ばい
商業地 調査地区設定なし
■和歌山県
調査地区設定なし
近畿圏の動向
住宅地は0%横ばい地点が多く、
下落傾向でも0〜3%下落まででした。
一方、商業地は0%横ばい地点が無く、
大阪の茶屋町・心斎橋・なんばと
兵庫の三宮駅前は3〜6%下落と
商業地の中でも大きな下落になっています。
四半期で3%下落ということは、
単純に年間ベースだと
12%も下落している計算になります。
長期政権が終わり、これからの経済情勢や
地価動向からますます目が離せなくなってきますね。
コロナで地価下落
国土交通省から8月21日に地価LOOKレポート
令和2年第2四半期(4/1〜7/1)が発表されました。
調査100地区のうち、上昇は1地区のみ(前回73)、
横ばい61地区(前回23)、下落38地区(前回4)となり、
ほとんどの地区で横ばいないし下落となりました。
「需要者の様子見など取引の停滞が広がるとともに、
ホテルや店舗を中心に収益性低下への懸念から
需要の減退が一部では見られる。」
「リーマンショック時の地価下落の主因となった、
マンションやオフィスの需給バランスに
大きな変化は見られていない。」とのことです。
令和2年第1四半期(1/1〜4/1)は、
コロナの影響が無い期間がありましたが、
この第2四半期(4/1〜7/1)は
期間全てがコロナの影響下にあります。
全国で1地区だけの上昇地区
全国で1地区だけ上昇したのは仙台でした。
■宮城県仙台市青葉区(中央一丁目・商業地)
0〜3%上昇(前期0〜3%上昇)
「一時的な経済活動の停滞等の影響はあるものの、
当地区に対する在京投資家等の投資意欲は依然として認められ、
当期の地価動向はやや上昇傾向で推移した。」
「駅前の大型商業施設の再開発計画や
都市機能向上を目指す「せんだい都心再構築プロジェクト」の
建替え促進助成制度等の影響から、仙台駅周辺では依然として
オフィスビル・ホテル等の開発機運の高まりが予想される。」
とされています。
各地域の地価動向
■滋賀県(草津市・南草津駅周辺・住宅地)
0%横ばい(前期0〜3%上昇)
「土地取引自体が停滞し、取引価格はほぼ横ばい傾向と
なったことから、当期の地価動向は横ばいで推移した。」
■京都市中京区(烏丸・商業地)
0〜3%下落(前期0〜3%上昇)
「過熱気味であった不動産市場が沈静化し、
ホテル用地等の観光関連施設用地の
取引需要に陰りが見え始めたため、
取引価格が緩やかな下落傾向に転じたことから、
当期の地価動向はやや下落で推移した。」
■大阪市北区(西梅田・商業地)
0〜3%下落(前期3〜6%上昇)
「来街者数は減少し、店舗賃料は下落傾向となった。
市場参加者によるオフィス賃料の将来予測が保守的になって、
取引価格は下落傾向となった。
以上から、当期の地価動向はやや下落傾向で推移した。
■神戸市中央区(三宮駅前・商業地)
3〜6%下落(前期0〜3%上昇)
「店舗の退去増加により賃貸需給が一時的に
緩和している事から、店舗賃料はやや下落傾向に転じた。
加えて、これまで地価上昇を牽引してきた
ホテル用地の需要は、ホテルの稼働率悪化から、
新規出店意欲が減退して弱まっており、
取引価格は下落傾向に転じた。
以上の市況の変化から、当期の地価動向は下落で推移した。」
■奈良県(奈良市・奈良登美ヶ丘)
0%横ばい(前期0〜3%上昇)
「サラリーマンを中心とした需要層の
所得減少懸念が聞かれるなかで
マンション分譲価格も横ばい傾向が続き、
デベロッパーの開発素地取得意欲の低下も見られる。
以上から、取引価格は横ばい傾向となり、
当期の地価動向は横ばいで推移した。」
令和2年分路線価が発表されました!
7月1日に令和2年分路線価が発表されました。
全国平均で5年連続の上昇となります。
しかし、インバウンド需要は激減し、
店舗・オフィス需要は弱含み、
現在は先行き不透明感が強くなっています。
先日発表された地価LOOKレポートでも、
2〜3月以降、取引が停滞したり、需要が弱含んだり、
上昇傾向から一気に風向きが変わっています。
コロナの影響は考慮されていません
7月1日に発表されたものの、
相続税路線価は1月1日時点の価格ですので、
新型コロナウイルスによる影響はほとんど入っていません。
近畿の動向(令和2年路線価・前年比変動率)
■滋賀県
JR草津駅前 310,000円/㎡ +8.8%
■京都市
四条通 6,730,000円/㎡ +18.1%
■大阪市
キ タ 21,600,000円/㎡ +35.0%
ミナミ 21,520,000円/㎡ +44.6%
■神戸市
三宮センター街 5,760,000円/㎡ +17.6%
■奈 良
奈良市・大宮通り 800,000円/㎡ +21.2%
■和歌山
JR和歌山駅前 360,000円/㎡ ±0.0%
今後の地価動向
公示地価と相続税路線価は1月1日時点、
地価LOOKレポート最新版も4月1日までの動向です。
緊急事態宣言が広がった4月中旬以降の影響は
公的価格としてはまだ発表されていません。
地価LOOKレポート(4/1〜7/1)が発表されるか、
今年の基準地価(7月1日時点)が9月下旬に
発表されるのを待つ必要があります。
とはいえ、上昇が続いていた地域は上昇が一服し、
これまでも下落が続いていた地域は
さらに下落が強まっていく可能性が高いと思われます。
令和2年分路線価を使うご相続に要注意
令和2年分路線価を使うご相続の場合、
時価を超えた相続税評価額とならないようにご注意ください。
コロナの影響による地価下落だけではなく、
賃料減額要請やテナントの退去など
収益性が大きく悪化している可能性もあり、
時価の把握には個別具体的な検討が欠かせません。
路線価と公示地価
相続税路線価は、公示地価の変動率と
リンクする度合いが強いです。
(参考:固定資産評価額は、基準地価とリンクが強い。)
地価上昇はコロナで鈍化
国土交通省から6月19日に地価LOOKレポート
令和2年第1四半期(1/1〜4/1)が発表されました。
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、
多くの地区で需要者の様子見など取引の停滞が見られ、
地価の上昇傾向が鈍化した。」
「地価動向の変化が大きかった地区では、
特にホテル、店舗需要の比重が高く、感染症の影響が大きい。」
地価LOOKレポートって?
このレポートは、不動産鑑定士が
様々な情報を集めて地価動向を把握し、
その結果を国土交通省で集約したものです。
地元不動産関係者へのヒアリング結果も載っています。
レポート概要
上昇傾向が続いていた地価に、
鈍化の兆しが見えはじめたとのことです。
強い地価上昇が続いていた地域も上昇幅が鈍化し、
上昇していた地域でも横ばいになった地域が多いです。
第1四半期(1/1〜4/1)ということで、
1月1日から2月頃まではコロナの影響はあまりなく、
この期間の地価上昇分が入っているため
レポートの結果としては地価上昇となっていても、
それ以降は地価上昇に急ブレーキがかかっていることから、
次の第2四半期(4/1〜7/1)はさらにコロナの影響が
色濃く出ているのではないかと推察されます。
先行き不透明感が強く、不動産需要や
店舗・オフィス需要への影響を注視していく必要があります。
各地域の地価動向
■滋賀県(草津市・南草津駅周辺・住宅地)
0〜3%上昇(前期0〜3%上昇)
「前半までは引き続きマンション需要が強く、
新築分譲マンションのほか、中古マンションについても
売れ行きは好調であったが、
後半は新型コロナウイルス感染症の影響により、
取引が停滞している状況が見られる。」
■京都市中京区(烏丸・商業地)
0〜3%上昇(前期0〜3%上昇)
「市場を牽引してきたホテル・店舗用地の需要が弱まり、
1月下旬からは様子見の状況になったことにより、
当期の地価動向はやや上昇となったものの上昇幅が縮小した。」
■大阪市北区(西梅田・商業地)
3〜6%上昇(前期6%以上上昇)
「一時的な経済活動の停滞等の影響から過熱感がやや弱まって
オフィス賃料の上昇傾向はやや鈍化し、
当期の地価動向は上昇で推移したものの上昇幅が縮小した。」
■神戸市中央区(三宮駅前・商業地)
0〜3%上昇(前期3〜6%上昇)
「当期前半は投資需要が強い状態にあり、
地価は上昇で推移したものの、
当期後半については、
新型コロナウイルス感染症の影響により
市場参加者が様子見姿勢に転換したため
取引利回りの低下傾向は鈍化し、
当期の地価動向はやや上昇で推移したものの
上昇幅は前期と比較して縮小した。」
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