士業専用ダイヤル
令和2年基準地価の結果について
近畿圏の状況を見ていきたいと思います。
各府県の代表的な地点をピックアップします。
【滋賀県】
■大津市・JR大津駅前(商業地)
R1.7.1 349,000円/㎡
R2.1.1 354,000円/㎡(+1.4%)
R2.7.1 349,000円/㎡(▲1.4%)
一年間を通した変動率は±0%ですが、
前半はプラス、後半はマイナスとなっています。
平成25年から続いてきた地価上昇が半期で下落に転じました。
【京都府】
■京都市東山区・祇園(商業地)
R1.7.1 3,080,000円/㎡
R2.1.1 3,500,000円/㎡(+13.6%)
R2.7.1 3,220,000円/㎡(▲8.0%)
■京都市中京区・地下鉄丸太町駅付近(商業地)
R1.7.1 850,000円/㎡
R2.1.1 880,000円/㎡(+3.5%)
R2.7.1 865,000円/㎡(▲1.7%)
祇園はインバウンド需要も大きかったので、
前半の地価上昇、そして後半の地価下落と
大きな価格変動がありました。
上記は半年分の変動率ですので、
単純に年間ベースだと▲16.0%になります。
一方、御所南エリアでは、
需要が底堅く、地価は半期で微減となっています。
【大阪府】
■大阪市北区・グランフロント(商業地)
R1.7.1 21,700,000円/㎡
R2.1.1 25,000,000円/㎡(+15.2%)
R2.7.1 23,600,000円/㎡(▲5.6%)
■大阪市中央区・ミナミ戎橋付近(商業地)
R1.7.1 24,400,000円/㎡
R2.1.1 28,700,000円/㎡(+17.6%)
R2.7.1 23,300,000円/㎡(▲18.8%)
大阪の最高価格地は、キタを抜かして
最近はずっとミナミになっていましたが、
今回キタが最高価格地に返り咲きました。
インバウンド需要の消失が直撃したミナミは
半年間で▲18.8%、単純に年間ベースだと▲37.6%。
非常に大きな下落となりました。
一方、オフィス需要なども大きいキタは、
ミナミに比べて半期の下落率は小さくなりました。
ただ、店舗やオフィスの賃料減額や移転撤退などは
これからより顕在化する可能性もあり、
引き続き予断を許さない状況だと考えます。
【兵庫県】
■神戸市中央区・三ノ宮駅前(商業地)
R1.7.1 6,550,000円/㎡
R2.1.1 7,200,000円/㎡(+9.9%)
R2.7.1 6,700,000円/㎡(▲6.9%)
地価LOOK第二四半期でも
全国トップクラスの下落(四半期で▲3〜6%下落)と
なっていましたが、基準地価でもその影響が出ています。
店舗やオフィスの賃料減額や移転撤退などが
影響しているものと考えられます。
【奈良県】
■奈良市・近鉄奈良駅前(商業地)
R1.7.1 712,000円/㎡
R2.1.1 830,000円/㎡(+16.6%)
R2.7.1 745,000円/㎡(▲10.2%)
近鉄奈良駅前は、一年間通しでは
地価上昇となっていますが、
前半・後半に分けて見ていくと
大きな地価上昇と地価下落となっています。
【和歌山県】
■和歌山市・JR和歌山駅前(商業地)
R1.7.1 441,000円/㎡
R2.1.1 442,000円/㎡(+0.2%)
R2.7.1 442,000円/㎡(±0.0%)
JR和歌山駅前は、前半に地価が微増し、
後半は横ばいとなっています。
コロナの影響が直撃した後半で
商業地が横ばいというのは非常に少ないです。
令和2年基準地価が発表されました。
新型コロナウイルスの影響が考慮された
最初の公的土地評価です。
【変動率の期間】
「令和元年7月1日〜令和2年7月1日」の
1年間の価格変動を踏まえた結果です。
コロナの影響が無い前半は地価上昇傾向、
コロナの影響が出た後半は地価下落傾向と
前半・後半に分けて見ていくことが良いと思います。
【基準地価の概要】
■前 半■
「交通利便性や住環境の優れた住宅地、
オフィス需要の強い商業地、
訪問客の増加に伴う店舗やホテルの進出が
見込まれる地域を中心に
地価の回復傾向が継続していたと見られる。」
前半は非常に地価上昇傾向が強く、
低金利や大企業を中心とする景況感、
インバウンドによるプラスの影響が
とても大きかったということです。
■後 半■
「新型コロナウイルス感染症の影響による
先行き不透明感から需要が弱まり、
総じて上昇幅の縮小、上昇から横ばい
又は下落への転化となったと見られる。
なお、前半から下落が継続していた地域においては、
下落幅の拡大も見られる。」
「地価動向の変化の程度は様々であり、
新型コロナウイルス感染症が地価に与える影響の程度が
土地への需要の特徴や地域の経済構造などにより異なることや、
再開発など中長期的な上昇要因の有無が地域で異なることによる」
<インバウンド需要が強かった地域>
コロナ禍によりインバウンド需要が消失したため、
インバウンドの影響により地価が上昇していた地域は
今回でもトップクラスの下落となっています。
新聞報道でも、大阪ミナミは
1月比で▲18.8%下落となっているなど
影響は非常に大きいです。
<インバウンド需要があまり無かった地域>
インバウンドの影響があまり無い地域でも、
自粛やリモートワーク、先行き不透明感など
日本人や企業の行動変化よる影響が出ています。
ただ、インバウンドほど過熱感が無かったため、
地価上昇もほどほどでしたし、地価下落もほどほどです。
<元々地価が下落していた地域>
先行き不透明感などから、
弱い需要がさらに弱くなり、
地価下落傾向が強まったと考えられます。
特に、古くからの農家集落地域は、
公的価格以上に実勢価格が落ち込んでおり、
売りたくても売れない物件が
さらに増える可能性があります。
地域毎の詳細については、次のブログで。
【固定資産税への影響】
令和3年度は3年に一度の
固定資産税の評価替え年度です。
今回の基準地価の結果だけではなく、
直近3年分の地価変動が合計されて
評価額に反映されます。
仮に今回の基準地価の結果で
地価下落となっている地域であっても、
直近はかなり地価が上昇していました。
そのため、15%+20%−10%=+25%というように
合計すると地価上昇=評価額アップとなり、
税額が上昇するケースも多いかもしれません。
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