士業専用ダイヤル
「土壌汚染ってどうやって調べるの?」
土壌汚染は多額の費用が見込まれることが多く、
“一撃必殺”で価格が変わってしまう大きな要因です。
そのため、土壌汚染があるのか無いのか、
費用としてはどれくらい見込めばよいのか、
ざっくり調べたいとご相談を頂くことが多いです。
詳細は、法で定められた指定調査機関に依頼して
しっかりと調べてもらうことになるのですが、
自分でも調べられることはけっこうあります。
【所有者負担】
汚染土壌は、基本的に
所有者の負担で浄化する必要があります。
用途によっては浄化まで要求されなかったり、
最終的には汚染の原因者に求償できるなど
細かい規定はありますが、
現実問題として所有者が浄化費用を
負担することがほとんどだと思います。
【行政調査】
都道府県・特例市・中核市の環境担当課において、
区域指定の有無及びその内容、有害物質使用施設一覧、
水質汚濁防止法の特定施設一覧等を確認できます。
ただ、台帳に記載されているものは
実際に土壌汚染がある土地の一部にすぎません。
そのため、行政調査を行い、
該当が無かったからといって土壌汚染無しと
判断することは早計です。
【不動産登記簿】
過去に工場として利用されていた土地は、
土壌汚染の可能性があります。
閉鎖登記簿も含めて、土地・建物の所有者、
建物の種類や用途などを確認します。
例えば、“○○化学工業株式会社”の“工場”であれば、
土壌汚染の可能性が高いかもしれないと推測できます。
【過去の住宅地図】
図書館に行くと、その地域の
古い住宅地図を閲覧することができます。
細かい範囲や実際の利用状況までは確認できませんが、
上記のような化学工場の記載があれば、
土壌汚染の可能性が高いかもしれません。
【航空写真】
ネットで「地図・空中写真閲覧サービス」を検索すると、
国土地理院がこれまで整備した空中写真を
検索して閲覧することができます。
拡大すると粗い画質になりますが、
住宅地図よりも実際の土地利用状況を
調べることができます。
このような事前調査を踏まえて
土壌汚染の可能性の高低を判断し、
必要に応じて指定調査機関などに
ご依頼されることがよいのではないでしょうか。
学問の秋、読書の秋、
連休前半はM&Aやデューデリジェンス、
企業価値評価の勉強を頑張ってきました。
【企業価値評価と鑑定評価】
企業価値評価と鑑定評価って
めちゃくちゃ似ているなと改めて感じました。
もちろん評価対象が会社と不動産と異なりますし、
細かい項目は違うことも多いのですが、
考え方や価格へのアプローチが本当に似ています。
不動産と言っても、戸建住宅ではなく、収益物件です。
そこそこ立派なテナントビルの評価と似ています。
【3つの評価アプローチと特徴】
■コストアプローチ
企業評価:時価純資産価額法、修正簿価純資産法
鑑定評価:積算法
客観性は高いが、将来の収益獲得能力の反映に弱い。
■マーケットアプローチ
企業評価:類似会社比準方式(マルチプル法)
鑑定評価:取引事例比較法
客観性や市場での取引環境の反映に強いが、
評価対象の固有の性質の反映に弱い。
どの会社、どの取引事例から評価するかによって
結果が大きく変わってしまう。
良い会社、高い取引事例から評価すると高くなるし、
悪い会社、安い取引事例から評価すると低くなる。
■インカムアプローチ
企業評価:DCF法、収益還元法 等
鑑定評価:DCF法、収益還元法 等
将来の収益獲得能力の反映や固有の性質の反映に強いが、
客観性は弱い。
特に、将来の収益性を想定して評価するDCF法は、
楽観的に考えるか、悲観的に考えるかによって
結果が大きく変わってきます。
【点ではなく幅】
企業価値評価も鑑定評価も、
唯一絶対的な価格というものは存在せず、
一定の適正な価格の幅として認識されます。
その上で最終的には
1点での価格を出すのが専門家ですが、
利回りや割引率を少し変えるだけで
結果が大きく変わってくるのも
よく似ているなと思いました。
【仲介会社方式】
時価純資産に3〜5年の正常営業利益を加算して
企業価値評価を出す方法です。
理論的・専門的には色々問題があるが、
経営者の方に非常にわかりやすいとのことでした。
鑑定評価には同じような手法が無いので、
この仲介会社方式のような評価方法って
鑑定評価でも応用できたら面白いかなと思いました。
鑑定評価額を出してもらったけど、
鑑定評価額には帳簿のどの部分が含まれるのか?
特に、建物について、
会計士さん税理士さんからご質問頂くことが多いです。
【土 地】
土地はわかりやすくそのままです。
一方、借地権は鑑定評価をすると
価格が大きく変わる場合があるのでご注意ください。
たまにアスファルト舗装は入るのか等の
ご質問を頂くことがありますが、
基本的には土地と一体的になっているため
土地の鑑定評価額に含まれます。
【建 物】
一方、建物の鑑定評価額についてはご質問が多いです。
帳簿の有形固定資産の区分には
建物、建物付属設備、構築物、
機械装置、車両運搬具、器具備品などがありますが、
どの部分に該当するのかという内容です。
基本的には「建物」「建物付属設備」が
建物の鑑定評価額に含まれるものになります。
建物と一体性があり、取引の際に
通常一緒に譲渡されると判断されるものが対象です。
容易に取り外しができたり、
建物との一体性が認められないものなどは
基本的には対象外となりますので、
構築物や器具備品等は対象外となることがほとんどです。
イメージとしては、業務用エアコンは一体で含むけど、
家庭用エアコンは容易に取り外せるので
対象外という感じでしょうか。
絶対的な決まりがあるわけではありませんので、
適切に説明できるかどうかを
現状に即して判断すべきだと考えます。
仮に、テナントビル等の収益物件であれば、
一体としての収益性を評価していることから
建物の効用を維持するために必要不可欠なものであれば、
構築物や器具備品であっても
対象内とすることは一つの考え方かもしれません。
工場や事業所の鑑定評価では、
機械器具備品は考慮外とされることがほとんどです。
一方、工場財団の評価などでは
評価対象となることもありますが、
一般的な鑑定評価では含まないことが多いと考えます。
「鑑定評価の条件」欄を見ると、
どのようなものを対象としているか
記載していることもありますので要チェックです。
士業の先生の不動産評価に関するご相談、お待ちしています

などなどお気軽に「ちょい聞き」してください!
TEL:077-596-5753(電話受付:平日 9:00〜17:00)
※当事務所は士業専門の不動産鑑定サービスを提供しておりますので、一般の方からのお問合せはご遠慮いただいております。ご了承ください。
※一般の方はこちら ≫公益社団法人滋賀県不動産鑑定士協会